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2005年03月28日

首輪

日曜日に、お手伝いしているバンドの解散ライブがあって、
ロロが残していった首輪を左手に付けて参加してきた。

例年なら仕事も暇で猫と遊べる時期なのだけれど、練習とかでせわしなかった。
少し暖かくなったせいか、特にロロにはかまってくれぇ〜、とにゃーにゃー
言われていた気がする。春になったらねぇー、と頭を撫でてごまかしていたり。

仕事の合間に練習をしていたので、無造作に置いたベースの上で、ロロが爪とぎ
まがいなことをして遊んでいた。時折、ラウンド弦の隙間に爪がひっかかり、
不意に出る金属音と振動に反応して飛び跳ねたりして驚いていた。それでも、
おらもベース弾くのら〜と楽しそうだった。叱らずに笑って眺めていたことが、
今となってみればせめてもの救いだと思える。

公園に捨てられたとき、うちに来たとき、そして、旅立ったときも
いつも身一つだった。環境が変わる度、過去を捨て去り、振り返ることなく
今を精一杯生ようとしていた。最後は狭い我が家に押し込められても
文句を言うどころか、自分の生涯を生きようとしていた。
猫にはいつも教えられる。
何も持たせてやれなかったけれど、猫の国では、この狭い家の思い出を
幸せだったと、記憶に止めて欲しいと思う。もし、ほんとに、
もし生まれ変わっても、また私と一緒に暮らしたいと思ってくれれば
そんなに嬉しいことはない。
こんどこそは、もっと幸せにするから。

ロロが置いていってくれた思い出の首輪はお守りとして大切にするよ。

投稿者 ikemi : 2005年03月28日 04:23

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